『はてなかしまし物語::石川梨華さんモーニング娘。卒業』

吉ヲタが吉澤を振り返るという事は、間接的に石川の話になる、と思って書き始める。
最近までの吉澤の評価として相応しい言葉は「可愛い……けど…」というものであると思う。確かに可愛い。でも、その先が無いという意味だ。自分がモーニング娘。を見始めた時にも、「吉澤はモーニング娘。らしくないなぁ」と思ったものだ。モーニング娘。はアイドルなのにルックス最優先ではない稀有な存在であり、吉澤はこの縛りがあったために大いに苦労することになる。石川についての評価も、自分がファンになりたての頃は「可愛い……けど…」という物だった。ルックスは確かだが、インパクトに欠けるように思えた。今思うと自分が吉澤を選んだのは単純に好みだけだったのかもしれない。一歩違えば石ヲタになっていた可能性もありそうだ。
ただ、この2人はだいぶ違う道を歩む事になる。簡単に言うと、石川は可愛い事を許された、吉澤は可愛いだけでは許してもらえなかった。故に、吉ヲタにとっての石川は嫉妬の対象であった。
石川と並走していられた時期は加入して1年くらいまでだろう。モーニング娘。加入直後に、石川はタンポポに入り吉澤はプッチモニに入った。秋になってのハロモニでは、石川はチャレモニでチャーミー石川として先輩と絡む役割を与えられた。吉澤はオープニングにコーナーを貰った。ここまではまだ五分だ。いや、僅かながら吉澤の方がプッシュされているように思えた。タイトルコールの前のコーナーという事は、放送時間になるとまず吉澤のアップから番組が始まるということだ。しかし2001年に入るとコーナーは途切れ途切れになり、最年少司会の後藤の横に立っているだけ、という、窓際族のようないてもいなくてもいいポジションを与えられた。同じころにチャレモニも終わるが、ここで先輩と絡んでいたのが後にハロプロニュースとして生きてくる。
それでも『ベベ恋』での吉澤の可愛さは特筆モノだった。ルックスだけでは間違いなくモーニング娘。の最高峰だったに違いない。しかし、2期プッチモニはセンターが後藤である以上モーニング娘。とは違った特色を出す事が困難であるし、この時期すでに後藤のソロデビューも決定していて、プッチモニの存在意義は怪しくなる一方。永井ルイのおかげで初期との違いを打ち出せていた2期タンポポに対して明らかに分が悪く、このあたりも、吉澤の評価を「可愛いだけ」で終わらせる原因だと思う。
そしてこの頃から石川と差が付き始める。事務所のプッシュが続いた時期だ。『恋レボ』での「ホイ」、カントリー娘へ出向、三人祭、『ピ〜ス』でのセンター、ソロ写真集。中でもソロ写真集は驚いた。3ヵ月後には吉澤もワニブックスの写真集シリーズの先陣を切るが、単発のインパクトにはかなわない。『ミスムン』である程度差は縮められたが、いかにも後追いっぽいイメージは拭えなかったように思う。
と、この辺りまでは良く覚えてるのだが、ここからは石川についての記憶がかなり曖昧。というのも、吉澤と石川はこの時点で「対」では無くなったと考えるからだ。2人を同列に扱えなくなった、と言った方が正しいかもしれない。石川はアイドル路線を外すことなく現在に至っている。それは未だに「チャーミー」である事から良く分かる。そして2002年の夏から吉澤は長いトンネルに入っていき、石川の背中は見えなくなってしまう。「いしよし」な瞬間は少なくなったように思うし、吉澤が自ら語っているように、石川と距離を置き始めたのもこの頃だろう。吉澤がバラエティ組としてコントでヘンなキャラをやったりする「笑われる」役を引き受けていったのも、同期として差が付いてしまったのを理解していたからでは無いか。同じやり方が通用しないのならこっちしかない。(この点は、良い意味で取るなら、保田の役割をある程度引き受けたとも言えると思う。吉ヲタの贔屓目かも知れないが)。この時期はライブでも緩慢な動きを見せたりと、ヲタとしてもツライ時期だった。
吉澤の復活は2004年を待たなくてはならなかった。2004年初頭の石川は安倍の卒業を受けて、「モーニング娘。魂を継承して後輩に伝える」とまで言えるようになっていたが、吉澤はまだまだ脚や腹の出る衣装が着られるようになった、くらいのレベルだ。完全復活は『涙が止まらない放課後』あたりか。遅い。
そして既定路線どおりに飯田が卒業、次は石川も、というところでまさかの矢口脱退。こんな所で吉澤が石川に追いつくチャンスが転がっているとは思わなかった。石川の卒業ツアー中の脱退という緊急事態。9人になるモーニング娘。の急激な弱体化は明らかに思えた。しかしこの事態において吉澤はリーダーシップを発揮し、10人体制のモーニング娘。をまとめあげ、石川卒業後の不安を一掃した。これだけで石川の功績に並んだとは言い難いが、石川の充実した表情、迷い無く卒業に向かう姿を見るたびに、それに対して吉澤が貢献できている事を嬉しく思う。偶然でありながらある意味必然ともいえる4期体制。石川も吉澤も、限られたこの時間を最大限楽しんでいるように見える。久しぶりに見る「対」の状態。ああ、幸せ。
ただ、モーニング娘。としての「対」はここで終了。最初に書いたように石川は嫉妬の対象だったけど、吉ヲタとしても石川が同期でよかった。石川が走り続けてくれたからこそ今の吉澤があると思うから。これからは吉澤が後輩にモーニング娘。魂を伝えていき、それと並行して、モーニング娘。のリーダーと美勇伝のリーダーとして、これからも「いしよし」していって欲しい。いや、していくに決まっている。4期は奇跡なのだから。


と、上手く締めたつもりだけど、明らかに石川についての文章じゃないわな。まぁ別にいいか。とまあこんな感じでどうでしょうか。えっとどこに振ろうかな。返しちゃうのは芸が無いよね。あとは石川推しじゃ無いほうが面白いはず。って事で、まずは亜弥美貴なid:amane17さん。あと俺が知ってる(とはいっても2,3回しか会ったことが無い)数少ない吉ヲタのid:hikaru_aさんにお願いしたいけど、両者とも断られそうな気がするw そもそもウチに回ってくるとも思ってなかったし。
以上です。次からは通常営業の小遣い帳に戻ります。